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産後の肌荒れがひどい!かゆみや肌ボロボロの症状はいつまで続く?  

産後はホルモンバランスの乱れにより、肌荒れで肌がボロボロになってしまうことがあります。かゆみも起こりやすく、細切れ睡眠で女性にとって辛い時期です。本記事では、産後の肌荒れがいつまで続くのかについて解説します。

産後の肌荒れはいつまで?

「毎日家事と育児で大忙し、気がついたら肌がカサカサボロボロ……」、新米ママからよく聞かれる悩みです。肌のトラブルがいつまで続くのかと落ち込んでしまう人もいるかもしれません。産後の肌荒れはどのくらいで治まるのかチェックしてみましょう。

産後6ヶ月までに落ち着く人が多い

妊娠中は女性ホルモンの一種・エストロゲンが増加します。子宮への血流を促し、妊娠を正常に継続するためです。また、エストロゲンには肌のハリや水分を保持し、丸みのある女性らしい体を作るといった働きもあります。

子宮頚管を柔らかくする働きもあるエストロゲンの分泌は、分娩前がピークです。その代わり、役目を終えた産後にはほぼゼロになるほど減少します。そのため、エストロゲンの不足によって肌のハリや水分を保てなくなり、肌荒れが起こりやすくなるのです。

ただし、エストロゲンをはじめとする女性ホルモンのバランスは徐々に産前の状態に戻ってきます。生理が再開する産後6ヶ月頃が目安で、この頃までには肌荒れが落ち着くことが多いでしょう。

 産後1年まで肌荒れが続くこともある

ホルモンバランスが整うまでの時間は生活環境や条件によってさまざまであり、産後1年程度経っても肌荒れが続くこともあります

ある調査では、産後1年程度はさまざまなマイナートラブルが起こることがわかっており、中でも皮膚の乾燥は、1年経っても変わらない人も多くいるという結果が出ています。

なお、母乳で育てている人はさらに時間がかかる可能性があります。乳汁の分泌を促すホルモンであるプロラクチンには、卵巣の働きを抑える作用があり、エストロゲンは卵巣で産生されるためです。

産後の肌荒れの症状はかゆみや乾燥肌、ニキビなど

産後に起こりやすい肌荒れは、人によって症状もさまざまです。かゆみや乾燥肌、ニキビなど、特に多い症状とその原因を見ていきましょう。

全身のかゆみ

産後のかゆみを引き起こす原因の一つが、エストロゲンの減少による水分保持機能の低下です。

人間の肌表面には、適度な油分と水分でできた皮脂膜が存在し、外部からの刺激や異物の侵入を防いでいます。しかし、水分が不足すると皮脂膜が正常に形成できなくなり、肌が乾燥してかゆみが起こりやすくなるのです。

育児の疲れやストレスの蓄積も原因になります。皮膚が敏感になるため、寒さや発汗、衣類の擦れなどのちょっとした刺激でもかゆみにつながることがあるので注意が必要です。

乾燥肌、肌がボロボロ

肌の水分は妊娠中から不足しやすいため、産後も乾燥肌になりがちです。乾燥がひどくなるとかゆくなったり皮が剥けたりするトラブルにもつながります。

産後は体の回復も十分でないうちから、赤ちゃんのお世話をしなくてはなりません。スキンケアをしている暇もないというママは多いでしょう。乾燥していることが分かっていても手入れができない、その結果さらに乾燥がひどくなるという悪循環になりやすいのです。水分とスキンケア不足で「気がついたら肌がボロボロ……」となりかねません。

ニキビや吹き出物などの肌荒れ

ホルモンバランスの変化によって、肌質が変わったり肌質の特徴が強くなったりすることがあります。産後にニキビや吹き出物などの肌荒れが起こるのもこのためです。

例えば、脂性肌の人の皮脂分泌がさらに活発になると、皮脂で毛穴が詰まってニキビができやすくなります。乾燥肌の人でも、肌の水分不足を補おうと皮脂分泌が促されるため、ニキビにつながりやすいのです。

便秘が原因のニキビや吹き出物もあります。便秘が続くと腸内に発生した有毒物質が血液とともに全身を巡り、肌のターンオーバーにも影響するとされています。古い角質が肌表面にたまると、ニキビの原因となる毛穴詰まりを引き起こすのです。

産後の肌荒れは食事やスキンケアでお手入れを

産後は毎日忙しく、ゆっくりする暇もないことでしょう。しかし、肌荒れ改善のために対策はしたいところです。食事やスキンケアなど、少しずつできることから始めてみましょう。

栄養バランスのよい食事を意識する

肌荒れ対策として栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

健やかな肌作りにはタンパク質やビタミン類が不可欠です。タンパク質を構成するアミノ酸は、肌のハリに欠かせないコラーゲンの基になります。肉類や魚類、大豆製品や乳製品などに豊富です。

コラーゲンの生成を促すビタミンC肌のターンオーバーを促進するビタミンB6皮脂バランスを整え肌の健康を保つビタミンB2などのビタミン類も積極的に摂取しましょう。ビタミンCは果物や野菜、ビタミンB群(B6やB2、B1など)は卵や青魚、レバー、大豆などに含まれています。

低刺激のスキンケアで肌を整える

産後の肌は刺激に弱くなっている場合があります。スキンケア用品を敏感肌用や低刺激のものに替えてみましょう。赤ちゃんがママに触ることを考えて、ベビー用のクリームやオイルを使うのもおすすめです。

洗顔料はしっかり泡立てて、肌をこすらないように洗いましょう。泡立てネットや泡状で出てくるポンプ式の洗顔料を使うと手早くできます。洗い流して水気を拭き取るときも、ゴシゴシこすらずタオルで優しく押さえるのがポイントです。

また、スプレー式の化粧水や、スキンケアが一つで済むオールインワンも忙しいときに便利です。寝る前には美容液やフェイシャルオイルで保湿をするのが効果的です。

サプリメントを活用する

大豆イソフラボンやエクオールなど、女性ホルモンに似た働きをする成分のサプリメントもあります。ホルモンバランスを整えたい方は、活用してみましょう。

なお、サプリメントを飲む際は、必ずかかりつけの医師に相談してください。特に薬を飲んでいる方や授乳中の方は、赤ちゃんへの影響や、思わぬ副作用が出ることもあるので注意が必要です。

肌荒れがひどいときは皮膚科に相談しよう

かゆみや肌荒れ、ニキビがあまりにひどい場合は、市販薬で何とかしようとせず皮膚科を受診しましょう。かきむしったりニキビを潰したりすると跡が残る恐れもあります。症状に合た飲み薬や塗り薬を処方してもらうことで改善が期待できます。特に授乳中の人は、医師に相談するのが安心です。

食事や生活習慣を見直しても変化が見られないときも、皮膚科の受診を検討してください。

産後の肌荒れは半年〜1年程度。症状に合わせてケアしよう

多くの女性が産後の肌荒れに悩まされています。産後のホルモンバランスの乱れや生活習慣の変化、ストレスなど原因はさまざまですが、半年から1年程度で落ち着くことがほとんどです。ただし個人差もあるので、焦らず症状に合わせたケアをしていきましょう。

食事やスキンケアの内容を見直したり、睡眠や休息を取ったりするなどホルモンバランスを整えるのに有効とされる方法を試すのもおすすめです。

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この記事の監修者

浅井 貴子

・助産師

・新生児訪問指導歴は25年以上

・各情報サイトやランキングサイトなどでも執筆多数