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産後肌がボロボロに!産後は肌質が変わる!?その原因と対処法をご紹介

「産後に肌がボロボロになってしまった」という方は多いようです。実は産後の肌の不調には、産後ならではの原因があります。この記事では、産後に肌がボロボロになってしまう原因と、肌の不調の対策方法を解説します。

産後に肌がボロボロになるのはなぜ?

産後に肌がボロボロになってしまうと、「なぜ?肌質が変わったの?」と心配になりますよね。実はその肌の不調には主に2つの原因があります。

ホルモンバランスの乱れ

産後はホルモンバランスが大きく変化します。妊娠中は妊娠の継続に必要な「エストロゲン」という女性ホルモンが大量に分泌されているのですが、出産後はエストロゲンが急激に減少します。

実はこのエストロゲンには、肌を美しく保つための大切な役目があります。コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどが肌のうるおいやハリ・ツヤに大切であることはよく知られていますが、これらは肌の奥にある真皮層に存在する「線維芽細胞」によって作られています。そして「線維芽細胞」を活性化するのがエストロゲンなのです。生理中が肌荒れしやすく、生理が終わると肌の調子がよくなるのも、このエストロゲンの変化によるもの。

産後に肌がボロボロになってしまうのは、女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」が急激に減少するからです。肌を美しく保つのに大切な女性ホルモンが不足するので、肌がボロボロになったように感じたり、乾燥・肌荒れが気になったりするのです。

育児によるストレス

産後は体に大きなダメージを負っています。体が元の状態に戻るのに6~8週間程度かかるといわれますが、赤ちゃんは待ってはくれません。ミルクにおむつ替え、抱っこ、沐浴……赤ちゃんのお世話が目白押しです。

そんな状況でじゅうぶんに体を休める暇もなく育児がスタートするので、ママは睡眠不足になりがちです。そこから慢性的なストレスや疲労が重なると、エストロゲンの分泌量が減少して、肌が乾燥しやすくなったり、刺激に対して敏感になったり、血流が滞ったりして、肌がボロボロになってしまいます

産後肌がボロボロなのを改善する方法

産後にボロボロになってしまった肌は、適切なケアでカバーすることができます。4つの方法を紹介するので、できることから始めてみてくださいね。

正しいスキンケアを行う

産後の肌荒れ対策は正しいスキンケアが大切です。たとえば、つい忙しいからと、洗顔をおろそかにしていませんか?洗顔のおサボリが積み重なると、肌に古くなった角質細胞がとどまったままになり、くすんだ印象になってしまうことがあるんです。

逆に、汚れを落とそうとするあまりゴシゴシこすりすぎると、刺激から肌を守るために角層が厚くなってしまうこともあります。とくに気をつけたいのはピーリング。ピーリングの薬剤は肌にとって刺激が強い洗浄成分なので、ターンオーバーを早めてしまうおそれがあります。

洗顔は、皮脂をとりすぎないよう、ぬるま湯でしっかりと洗顔料を泡立て、こすらずにやさしく洗うのがおすすめです。すすいだあとは、タオルで軽く押さえるようにして、こすらないように注意しましょう。

また、保湿はスキンケアの基本です。肌が乾燥していると、カサつきやゴワつきを感じやすいだけでなく、ツヤのないドンヨリとした印象になったり、化粧のノリが悪くなったり、刺激を感じやすくなったり、ニキビができやすくなったりします。洗顔後は化粧水や乳液などで肌の水分補給と保護をしてあげてくださいね。

規則正しい生活習慣を心掛ける

肌は「ターンオーバー」という肌の生まれ変わりの機能によってダメージから回復します。ところが、なんらかの理由によってターンオーバーが滞ってしまうと、肌が修復されず、ボロボロの状態が続いてしまうことがあります。

ターンオーバーが乱れる原因として代表的なのが、不規則な生活習慣とくに気をつけたいのは「睡眠」と「食生活」です。

睡眠中には、ターンオーバーに欠かせない成長ホルモンが分泌されます。ところが睡眠時間が不規則になったり、寝不足になったりすると、成長ホルモンがじゅうぶんに分泌されず、ターンオーバーが乱れてしまうのです。

また、食事は肌を作る大切な栄養源。たんぱく質は肌のもとになる栄養素ですし、ビタミン・ミネラルはタンパク質の吸収を助ける栄養素です。肉や野菜はもちろん、魚、海藻類、乳製品、卵、キノコなどをバランスよく摂取するのが理想です。

このほか、飲酒や喫煙は血流を滞らせてターンオーバーの乱れのもととなります。肌荒れ予防のためには控えたほうがよいでしょう。

紫外線対策を行う

紫外線はターンオーバーを乱す大きな原因です。それほど日差しが強くないように感じても、紫外線は絶えず降り注いでいます。紫外線対策をせずにいると、肌の奥にある真皮層がダメージを受けて、ハリや弾力を作り出す線維芽細胞が破壊されてしまうことも。

また、紫外線によって大量に作られたメラニンは、ターンオーバーが正しく機能していればやがて自然に排出されていくのですが、ターンオバーが滞っていると、メラニン色素が沈着してシミになってしまいます。

普段から日焼け止めを使うのはもちろん、プラスして帽子や日傘なども併用して、スキのない紫外線対策をしましょう。

肌の免疫力を高める食べものを取る

免疫力とは、体を守るための自己防衛力のことです。免疫力が低下すると新陳代謝も低下し、肌の不調が長続きしてしまいます。腸の内側には多くの免疫細胞があるので、腸内環境を整える食べ物を積極的に摂取しましょう。おすすめは乳酸菌を多く含むヨーグルトなどの発酵食品、免疫細胞を活性化させるたんぱく質、免疫細胞を助けるキノコ類、粘膜の働きを助ける緑黄色野菜などです。

このほか、近年注目されているのが「ツバメの巣」です。ツバメの巣には、肌の免疫力を高める「糖鎖栄養素」が豊富に含まれており、さらに成長ホルモンの働きを活発にする細胞成長因子も含まれています。サプリなどで手軽に摂取できるものもあるので、取り入れてみるのもよいでしょう。

産後の肌荒れはいつまで続くの?

肌がボロボロになると、「こんな状態がいつまで続くのかな」と心配になりますよね。このまま放置しても大丈夫なのかを解説します。

半数以上の人が自然には治らない

産後の肌荒れは、約半数の人は自然には治らないといわれています。それどころか、放置するとさらに症状が重くなってしまうことも……!肌だけの問題と思わず、食事や睡眠なども含めて見直すようにしましょう。

早めに肌荒れ対策を

産後は体にもママの生活にも大きな変化が訪れます。肌荒れは気づかないうちに疲労が蓄積しているサインかもしれません。少しでも肌の不調を感じたら、早め早めに肌荒れ対策をしてくださいね。

適切に肌のお手入れをして美肌に!

産後は肌がボロボロになりがち。赤ちゃんのお世話でつい自分のことはおろそかになりがちですが、知らず知らずのうちに無理を重ねているのかもしれません。

  • 正しいスキンケア
  • 規則正しい生活習慣
  • 紫外線対策
  • 免疫力を高める

今回はこの4つを対策方法として紹介しました。もし症状が長引くようなら、皮膚科の受診も検討してみてください。

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この記事の監修者

浅井 貴子

・助産師

・新生児訪問指導歴は25年以上

・各情報サイトやランキングサイトなどでも執筆多数