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逆子は治すもの?産婦人科医の先生に聞いた「逆子」との向き合い方

逆子とは

逆子ってどんな状態?

 逆子とは、「赤ちゃんの頭が上にある状態」を言います。医学的には「骨盤位」と呼ばれます。自覚症状はほとんどなく、妊婦健診の際に判明するケースがほとんどです。
 妊婦健診の際に逆子と言われても、ほとんどの場合は赤ちゃんが大きくなるにつれ、頭も重くなり、頭位と呼ばれる頭が下に来る正常な状態に戻ります。

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どうして逆子になるの?

 逆子の原因の多くは明らかになっていません。妊娠中期までは赤ちゃんの大きさに対して子宮の大きさや羊水も十分あるため赤ちゃんが動き回る余裕があり、検診のタイミングで逆子の状態になっていることがよくあります。

逆子は珍しいの?

 妊娠中期までに逆子になる割合はおよそ40%から50%と言われています。つまり、二人に一人のママが、検診時に赤ちゃんが逆子だと気づきます。
 一般的に逆子が問題となってくるのは、妊娠30週後半以降から。この頃から赤ちゃんの体は2kgを超え、動き回るスペースがなくなり姿勢が固定されてきます。つまり、赤ちゃんが大きくなるにつれ、自然と頭位へ戻りにくくなるのです。逆子は出産直前までに戻ることがほとんどで、95%は妊娠36周目までに戻ると言われています。

逆子のリスクはいつから?

 しかし、出産直前まで頭位に戻れない赤ちゃんもいます。この原因として多くはわからないのですが、一部胎盤が子宮の出口の一部または全部を覆ってしまっているような前置胎盤といわれる状態や、羊水過多・羊水過少、双子などの多胎妊娠の時には多くみられます。

逆子の分娩

帝王切開

 2001年12月、アメリカの産科婦人科学会(ACOG)は、「逆子の分娩では予定帝王切開にするべき」という勧告を出しました。その後、逆子の出産は、一般的に帝王切開が選ばれるようになりました。
お腹に傷あとが出来てしまう可能性があることや経膣分娩に比べ入院期間が長くなってしまう帝王切開は、ネガティブなイメージがあるかもしれませんが医療技術は日々進歩しているためリスクも減ってきています。

大切なのは、赤ちゃんが無事に生まれることです。医師としっかり相談し、赤ちゃんのために、最適な方法を選びましょう。

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逆子は治すもの?

 逆子の対策についてはそのアプローチ方法や効果についていろいろな見解があり、どうしたらいいの?と不安になりますよね。逆子がなかなか治らない場合、病院によっては10ヶ月入った頃(妊娠35-36週)に外回転術をすることもあるようです。ただ、重要なのは赤ちゃんが自然に、楽な姿勢でお腹の中で過ごしていることです。逆子ケアにおいても、その他の悩みに対しても、妊娠期間中は、ママも赤ちゃんもリラックスしてゆっくりと過ごすことが何よりも大切です。

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監修:産婦人科医 宗田聡先生

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筑波大学卒業後、同大学へ産婦人科医師として勤務。その後、海外の大学への派遣や、周産期センター長を経て、現在は医療法人HiROO理事長・広尾レディース~恵比寿本院~の院長を務める。「誰にでもいいお産を味わってもらいたい」という思いで、妊婦さんや出産をはじめ女性医療と真摯に向き合っている。